『遺言書』について

          作成する人 証人の要否 秘密確保 検認の要否

メリット

デメリット(注意事項)

自筆証書遺言 

本人が作成 不要 秘密は保てる

・簡単に作成できる

・費用がかからない 

 

・内容に書き漏らしがあり得ること

・加筆訂正の方式不備があり得ること

・保管が難しい(不正が起こり得る)。

・遺言内容の迅速な実現が困難(検認のため)

公正証書遺言 公証人が作成 2人以上必要 公証人、証人に知られる 不要

・公証人が作成するため、法的に瑕疵のないものである

・保管も確実である(改ざん、紛失のおそれなし)

・迅速な遺言内容の実現が可能

 

・作成費用がかかる

・秘密は保てない

秘密証書遺言 誰でも作成可 2人以上と公証人 秘密は保てる 必要

・遺言の存在を公にする

・改ざんのおそれなし

秘密保持を犠牲にすれば迅速に作成できる(遺言書作成のプロに依頼しスピード作成できる。ただし、検認は必要。)

(・パソコンで作成できる)

・作成費用がかかる

・紛失のおそれがある

・方式不備で無効になる可能性がある

遺言内容の迅速な実現が困難(検認のため)

上表のように一長一短がありますが、遺言者様のご事情により、「作成」し「保管」します。そして、相続発生時には開封し、遺言者様の「指定分割」に基づき遺産分割(「遺言執行」)を行うことになります。

 

※1 実際上、通常は「自筆証書遺言」か「公正証書遺言」について、検討することになりますが、以下の観点から、「公正証書遺言」とされることをお奨め致します。

(緊急に遺言書作成を要する場合、「秘密証書遺言」をプロへ依頼するのが良いでしょう。詳しくはお問合せください。)

 ・争族防止(真偽の疑義)

 ・安全性(「破棄」「隠匿」「偽造」「変造」防止)

 ・発見可能性・検認の要否

 ・安心感

 ・事務処理(払い戻しの確実性)。

   

※2「公正証書遺言」を作成される場合に必要な保証人は誰でも、良いわけではありません。また、公証人に作成してもらう遺言書(原案)の準備が重要です。

(口頭でも作成して頂けますが、事前に<原案>を準備します。記載もれがあると争族の原因となりますので<原案>作成を専門とする行政書士等へ依頼しましょう。行政書士等は、公証人と事前打ち合わせの上、「モレやダブリ」など瑕疵のない<原案>を作成します。

 

<『遺言書』作成に【必要な書類】>

将来的にトラブルを予防するために、出来る限り十分な資料を揃えておくことをお奨めします。

公正証書遺言を作成する場合も含め、以下に記載します。(公証役場では、いずれも発行後3か月以内のものが必要となります。)

(1)遺言者の実印、印鑑証明書「住所、氏名、生年月日、職業」が判る資料。

(2)遺言者と相続人との関係がわかる戸籍謄本、除籍謄本など(改製現戸籍) 

               「住所、氏名、生年月日、職業」が判る資料。

(3)受贈者の住民票(相続人以外の人に遺贈する場合に必要。)

               (「住所、氏名、生年月日、職業」が判る資料。

(4)不動産登記簿謄本・固定資産評価証明書(遺産の中に不動産がある場合。固定資産税納付通知書でも可)

(5)証人2名の「住所・氏名・職業・生年月日を記載した書面」

               (メモで可。公証役場に証人の斡旋を依頼した場合は不要)

(6)証人は認印、免許証など身分を証明する資料(作成当日に持参する)

(7)保険契約証書(遺産の中に遺言者が受取人になっている生命保険がある場合)、解約返戻金証明書。

(8)ゴルフ会員証や預託金証明書(遺産の中にゴルフ会員権や預託金債権がある場合)、解約

(9)預貯金(通帳のコピー又は金融機関発行の残高証明書)

(10)自動車(車検証、査定書)

(11)動 産(貴金属・宝石類・美術品・骨董品などは、鑑定書)

(12)債 権(借用書などの債権を証する資料、株式の配当報告書、貸金庫契約書など債権を証明する資料)

(13)債 務(金銭消費貸借契約書、返金予定表など債務(借金)を証明する資料)

(14)遺言執行者(住民票または免許証など身分を証明する資料。「住所、氏名、生年月日、職業」が必要。)

(15)その他(必要に応じて、相続関係説明図、財産目録など) 

 事前相談を代理人に委任する場合:委任状には本人の実印を押します。委任状には、契約内容が記載されていることが必要です。委任内容が別の書面に記載されているときは、その書面を添付して契印します。白紙委任状は認められません。

 作成当日は、遺言者本人が必ず出席します。(代理人に委任することはできません。)

 

 

※3「遺言執行」が重要です。誰を指定するか(2名以上も可)、どのように執行するかが、相続を成功裡に終了させるキーポイントです。

したがいまして、準備の段階から現実の実態(争族の未然防止等)について熟知している行政書士等(予防法務の専門家)の指導を受けて、『遺言書<原案>』作成~公証人による『遺言書』作成、「保管」~「執行」~「アフターケア」までを確実に執行されるようご相談をされることをお勧め致します。

 

 保証人、遺言執行者は行政書士等の予防法務の専門家に依頼されることをお奨め致します。

(遺言執行者は『遺言』で指定しておかなければ効力はないので、注意が必要です。効力を担保(辞退されないように)するためには事前に依頼し承諾を得ておきましょう。)

 

次のページテーマ<【付言事項】の作成>が重要です。『遺言書<原案>』作成時に合わせて検討し、「公証証書遺言」の作成依頼時に持参します。

 

以上のように多くの留意点(課題)があり一つ一つを丁寧に対策し、課題解消していかなければなりません。

ここの記載に関するご不明事項・疑問点につき、お問合せください。

【重要】「遺言書」の重要性につきまして、今一度コチラをご参照ください。

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