<不動産について>
「固定資産評価額」により評価します。
申告が必要な場合の評価方法である路線価は土地の形状によっては厳密な評価が必要となり、不動産鑑定士による鑑定も高価となる場合があり、申告の必要のない相続の場合には現実的ではなく、当初の財産評価としては公的証明のされている当「固定資産評価額」を使用するのが現実的とされています。
※固定資産評価額は、公示価格、路線価、実勢価格、購入時の価格などとは異なり、総務大臣が定めた固定資産評価基準により、知事又は区市町村長が決定するものです。
これによるには下記 (1)と(2)の2つの方法があり、一般的に土地は公示価格の7割程度、建物なら新築の場合、建築費の5割~7割程度と言われています。(建物は築年数によって評価額が下がります。)
(1)①固定資産税の「納税通知書」に同封されている「課税明細書」の価格(評価額)による:
(↓「課税明細書」の見本):区市町村によって様式が異なります。
(2)①評価額を証明する「固定資産評価証明書(*1)」を取得する:
(②「登記事項証明書(*2)」を取得します。)
※当価格(評価額)を『財産リスト』の「現在<万円>」乃至「相続時<万円>」に記入し、「持分割合」を記載し、「課税明細書」又は「固定資産評価証明」による価額であることを『財産リスト』に明示します。
※「課税明細書」「固定資産評価証明書」及び「登記事項証明書」は数字の根拠を示すものであるので『財産リスト』に添付します。
(*1)市区町村の税務課、政令指定都市の市税事務所、東京23区内の場合都税事務所で取得します(区内1か所のみに不動産が所在する場合は区の都税事務所)。
★相続発生後、名義変更の登記申請の際には必須の添付書類です。
(【注意】登記には、最新年度の「固定資産評価証明書」が必要となりますので、相続発生後、
取り直しが必要になる場合があります。)
★交付申請時に持参するもの:納税通知書、所有者の運転免許証(健康保険証)等「身分証明書」、「所有者の相続人」が
請求する場合は、所有者が亡くなったことのわかる書類と、所有者の相続人であることのわかる書類。
【所有者の死亡年月日が記載されている戸籍謄本、相続人自身の戸籍謄本、相続人自身の身分証明書】
「代理人」が請求にいく場合は「委任状」。<自治体によって異なる場合がありますので、詳しくは都税事務所、区市町村
へお問合せください。>
★発行手数料は、東京都23区の場合 不動産1個につき400円です。
(*2)全国オンラインで取得可能。(具体的所在・地番を示せば)最寄りの法務局で取得できます。
★最寄りの登記所で全国の不動産「登記事項証明書」を取得可能。営業時間は8:30~17:15
★必要書類:「交付請求書」
★必要事項:土地の場合「所在と地番」、建物の場合「所在地番と家屋番号」(権利証、納税通知書で確認できます。
法務局にある「住居表示地番対象住宅地図」(通称「ブルーマップ」)でも確認することができます。)
★料金:1通1000円(登記印紙で納めます)(ページが10枚を超える場合は5枚ごとに200円の追加料金が必要)
※この方法に疑問があり、現状の不動産価格を参考とする場合もあります。近隣の同様な物件の不動産の<売り出し価格>を参考にしたり、不動産業者に依頼し<不動産価格査定書>を採ったり、特殊な地形・不整形な形状地の場合、不動産鑑定士による<鑑定評価>が必要となる場合もあります。
<預貯金><現金>
・口座のある銀行・支店名・口座番号・名義を記入し、定期的に残高(記帳年月日)を記入しておきます。通帳の保管場所も記入しておきます。
・<現金>の現在残高、保管場所を記入してます。
<その他>
・国債、投資信託:証券、預かり証、取引金融機関等から送られてくる「取引残高報告書」「保険証書」等。
・株式 :「評価方法は?」ご参照ください。
・保険契約:保険証券。
・自動車 :最近取得したものであれば、取得価格。中古車であれば、同年同車種の中古市場価格。
・ゴルフ会員権、レジャークラブ会員権: 会員証。
・貴金属、書画・骨董:取得価格。(高価なものであれば、古物商による評価額。)
・債務 :固定資産税⇒納付書、納税通知書。その他⇒請求書等
※1:申告が明らかに必要でない場合は、不動産や高価なもの以外は、全相続人の了解が得られそうな範囲でまずは、常識的な任意の評価基準で評価されると良いでしょう。
その後、作成具合によって、専門家に見てもらうということも検討しましょう。(当初から完璧を期し、いたずらに時間を浪費しないことが重要です。できるだけ、早めに仕上げましょう。厳格さ・厳密性よりも、モレ、ダブリがないこと(まずは「見える化」=「リストアップ」すること)の方が重要です。時間や期間に余裕のある場合に初めて、両方を追うと良いと思います。)
※2:例外的に、申告が必要と想定される場合であっても、
『遺言書』を早急に作成しなければならない場合には、※1と同様の評価方法にて、早急に『遺言書』を仕上げましょう。なお、その際は専門家に依頼されることをお奨め致します。「瑕疵ない」遺言書を早急に作成するには専門家(プロ)のスピードが不可欠です。
⇒なぜならば、評価方法のやり直しは可能ですが、『遺言書』なきまま「相続発生」を迎えた場合の不利益は計り知れないものがあるからです。